2018年4月5日木曜日

トライアルで、TANIZAKI。その7。


一週間限定で始まった同棲ですが、とりあえず無念のリタイアにはならずに、完走しました。

谷崎さんのご自宅を後にして自宅に戻った私は、いつも通り平常運行で日々の業務をこなしております。プレ花嫁として精進すべき立場であるにも関わらず、その自覚がまるで芽生えていないと指摘されても反論できませんが、一人で迎える朝は心が軽いなと無意識に思ってしまいました。

我ながら呆れる思いですが、10年以上自堕落的なマイルールの下で退廃的な一人暮らしをしてきた悪習は、どうやらそう簡単に拭えないようで。谷崎家で寝起きしていた日々よりも、ピンクなシチュエーションであるはずの彼氏と一つ屋根の下イベントよりも、自宅はずっと快適だなと、パンイチで朝食を掻き込みながら感じました。

もしかしたら、谷崎さんのカミングアウトがなければ、もう少し今とは違った心境だったかもしれません。

谷崎さんから衝撃的なカミングアウトを受けた後の日々は、お互い気まずく、普通に会話をしていても、どこか壁がありました。同じ空間で息を吸うのが少しだけ辛かった私は、つい、偶然風邪でダウンしてしまった同僚の代わりに、夜勤を希望して帰宅時間をずらしたりなどして、何の救いにもならない小細工をしてしまいました。しかしそれは谷崎さんも同じだったようで、「今日は残業」、「会社の飲み会」などを理由に、終電間際で帰宅していました。

それでも少しでも気まずさを打ち消したかった私は、同棲最終日に、谷崎さんのキッチンをお借りして、谷崎さんと約束していた餃子や、ちょっとした居酒屋メニューを作りました。全く何の解決策も結論も思い浮かんではいない状況でしたが、コミュニケーションは必要だと感じ、急遽居酒屋ふみよをオープンさせました。

本心はどうあれ、 谷崎さんは「美味しい」と言ってくださりました。とはいえお互いやはり胸に閊えるものがあって、平常運行とまではいかず、沈黙がお酒の肴となる事態でした。そういうわけで結局、2時間飲み放題コースよりも早く、居酒屋ふみよは閉店。谷崎さんは早々に就寝されたので、私は一人リビングでウィスキーを傾ける最終日となってしまいました。

「それじゃあ、またね。連絡ちょうだい」

谷崎さんのご自宅を去る朝、谷崎さんにそう言葉を投げかけられました。

しかし先日の土曜日に同棲終了してから一度も、私は連絡できていません。

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