2017年8月7日月曜日

ラブファンタジーは苦難。その9。


入浴中の私の全裸をガン見してきたキッズ達の視線は、手厳しいものでした。

笑いは取れても、女子力とムードはぶち壊し…といった課題は山積みですが、とりあえず超絶ダサい赤色パンツを購入したことで、一応パンツ問題からは解放されました。少しだけ軽くなった気持ちで、大浴場の浴室に入場した私は、まずはサウナで汗を絞り出し、洗髪などを済ませて、温泉を堪能しました。

ところでこの日は土曜日ということもあり、お風呂場ではしゃぐわんぱくキッズ達が多く、非常に賑やかでした。

キッズ達の歓声を微笑ましい気持ちで聞きながら湯に浸かっていると、ふと異様な謎の視線が突き刺さってきました。そっと目をあげると、わんぱく軍団の中の一人のキッズが、まるで私が汚物だと言わんばかりの目で、じっと蔑んでいたのです。

最初は、所詮はキッズの気まぐれだと思い、気に留めませんでしたが、次第に嫌でもわかるのです。キッズの中に微かに潜む女の性が、デブスの私を軽蔑していることを。

あれ?私もしかして、キッズにマウンティングされてる感じ…?と思った瞬間、私は何故かそのキッズに鼻で笑われました。そのキッズの笑いは、未熟な青臭いものではなく、一丁前の大人の女性の嫌らしい笑みでした。彼女は見た目はキッズ、しかし心は成熟していました。

たった、それだけのことです。通常であれば痛くも痒くもない、ただの子供の言動だと笑って流せるはずなのですが、何故か今回はずしりと重くのしかかってきました。すっかりお風呂に浸かる意欲を失った私は、早々にお風呂場から退出しました。

意気消沈していたため、注意力が散漫になっていた私は、タオルを抑える手がままならず、ほぼ全裸姿で脱衣所をふらふらしていました。習慣で体重計に乗り、ここ最近微動だにしない数値に一喜一憂、着替え中のスレンダー美女達のヌードをチラ見してため息、超絶ダサいパンツに向き合い…その時、突然声をかけられました。

「ふみよさん?ふみよさんじゃん!!」

はっとして反射的に振り向くと、お綺麗な女性が全裸の私に、満面の笑みで接近してきました。私は彼女を見て、頭が真っ白になりました。当然タオルは、手から滑り落ちました。

「谷崎さんの妹さ…」
「そうですー!お久しぶりですー!偶然ですねー!どうして温泉にいらっしゃるんですか?」
「…」
「も、もしかして…兄と旅行的な感じですか?」
「…」
「お母さーん!ふみよさんいるよー!」

嘘みたいな話ですが、何故か大浴場に谷崎さんの妹さんが、いらっしゃったのです。

ブログランキングに参加しています。応援していただけると嬉しいです。
にほんブログ村 恋愛ブログ 婚活・結婚活動(本人)へ

  

0 件のコメント: