2017年1月19日木曜日

お母さんは心配症。谷崎さん その24。


どうすりゃいいのヘンになりそうOh…

「私のことはお気になさらず、出てください。大丈夫ですから」

こう申す以外、他に言葉が見当たりませんでした。谷崎さんのお言葉通り、9割方、息子を拐かすデブスの存在を恐れたお母様が、諜報活動の一環として電話をされたのだと思いますが、もしかしたら何か緊急で急用があったのかもしれません。私が促すと、「人生一度きり DREAM 掴みたいから今」的なウェーイ風谷崎さんが、本当に申し訳なさそうに謝られて、電話に出られました。そのお姿は、何とも気の毒でした。

あまりの気の毒具合に空気を読んだのか、それとも谷崎さんの「ちょ、お母さん!何で電話してくんだよ」を聞いたからか、いずれにしろ、あれだけ炭水化物を要していた私の胃は、一気に大人しくなり、近年稀に見ないウィスパーぶりを発揮していました。一度ここで、戦闘力を失った食欲や気持ちを整理しようと思い、私はそっとお手洗いに立ちました。

こんなに外見を、ホットでクールなパーリィーの始まりだぜ的な感じでキメ込んでいる谷崎さんも、お母さんには「ちょ、お母さん」としか言えなくなってしまのだな。

こんなことで動揺している自分につくづく嫌気が差しますが、私は、谷崎さんに対して、軽くざわついていました。いえ、軽くなんてものじゃないです。激しく、ざわついていました。もしかしたら私の知らないところで、実兄も母の前では、「ちょ、お母さん」を連発しているのかもしれません。しかし、「ちょ、お母さん」としか言えなくなる谷崎さんをいざ目の前にすると、つくづく勝手ですが、好意的に受け止められない自分がいました。

お手洗いから戻っても、谷崎さんは電話を続けていました。 手持ち無沙汰になってしまった私は、ドリンクメニューなどを眺めてみたりなどしていましたが、「え、ちょ、マジ?何考えてんだよ、お母さん」と谷崎さんの焦った声に、何やら嫌な予感がしました。その瞬間、気まずそうな谷崎さんと目が合いました。

「すみません、お母さんがふみよさんに、ちょい挨拶したいらしいんで…いいっすか?」

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