2018年1月5日金曜日

キョンシーガールだったから、戦えた。その4。


「こちらはいつでもreadyだから、遠慮しないでジョイナスして、ハロウィンをエンジョイしてね」

…というラインを、ハロウィンパーティー当日に、谷崎さんのお母様から頂きました。

このラインを頂いた時、ちょうど私は夜勤明けで。夜勤明け特有の、妙に明るくウザめなテンションだったので、動揺せずに拝読できました。しかし帰宅し仮眠後に再度読むと、「私は一体誰とラインしているの…?」と、狼狽え目眩がしました。第一、彼氏の母親主催のハロウィンパーティーに参加するというだけで、体が震えすぎているというのに、追い討ちをかけるかのように、無駄に多い横文字とスタンプ及び絵文字、若者の間でも使わないレア風味漂うテン上げ気味な文面は、私の視神経を爆発させました

とりあえずもう後には戻れないので、私は仮装グッズ一式を持って、谷崎さんのご実家に向かいました。仮装姿で公共交通機関を利用するのは、熟したレディーとしてさすがにアレですし、皆様に公害を振り撒くようなものですから、谷崎さんのご実家で、本格的な仮装の準備をさせて頂くことにしました。

ちなみに谷崎さんは、谷崎さんのお母様主催のハロウィンパーティーには、参加されません。

というかそもそも谷崎さんは、自分の母親が毎年ハロウィンパーティーの覇者になっていることを、全く知らないそうです(谷崎さんのお母様談)。ご存知なのは、谷崎さんの妹さんのみ。毎年どうにかして谷崎さんのお父様の帰宅が遅い日、または出張で不在の日を狙って、開催しているそうです。フィールドは違えど私にも闇の部分がありますから、谷崎さんのお母様の、家族にですら隠し通したいお気持ちがすごくわかります。もちろん予め谷崎さんのお母様には「息子には言わないで」とお願いされましたし、元よりそんなつもりはないので、谷崎さんに申すつもりはありません。しかしもし私が谷崎さんの立場で、自分の母親がハロウィンの覇者になっていると知ったら…と思うと、何とも言えない微妙な気持ちになりました。

「あの…もしかして、ふみよさん?」

谷崎さんのご実家の最寄駅に到着した時から、嫌な予感がしていました。ちょうど改札を抜けた瞬間、誠に恐縮で失礼ながら、私の実姉と紹介しても通用するような、というか過去の私以上に、「脂肪が唯一の戦闘服であり勝負服です」的な体型の方がいらっしゃるんだ…と驚愕する程、縦にも横にも存在感のある女性が、私に駆け寄って来られました。同じデブ同士とはいえ、そのビッグレディーと私の違いは、顔と妖艶さ。私は全てにおいて闇しか背負っていませんが、そのビッグレディーは他のデブと一緒にしてはいけません。彼女は豊満さとセクシーさで勝負できる、スーパーデブだからです。

あまりに突然のパワフルなタックルで迫って来られたので、私は反射的に逃げ腰になってしまいました。

「あー、やっぱり!ふみよさんでしょ?」

困惑していると、ビッグなレディーは嬉しそうに私に駆け寄って来られ、何故か私に熱烈な謎のハグをかまして来られました。ハグ…というか、お互い蓄えているものが多いので、はたから見れば、力士同士が技を掛け合っている的な、暑苦しい感じだと思います。

肉体的にも精神的にも対応できなかった私は、ただただ呆然。状況が読めなかったので、そのビッグレディーの気の済むまでハグされるがままでいると、「谷崎さんの息子さんの彼女さんのふみよさんでしょ?写真見せてもらったから、すぐにふみよさんってわかったわ」と言われました。

…写真ってなんだよ。そう言いたい気持ちをグッと堪えて、努めて和かに対応しようとする私に、その女性は更に私を追い詰めて来ました。

「聞いたわよ。仮装のプロなんですって?頼りになるわ。今日は色々よろしくね」

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