2017年11月17日金曜日

それはちょっと困ります。その16。


あれ?なにこの空気?柄にもなく、頑張って彼氏待ち伏せ作戦を実行したのに、なんか変な空気…。

「え…どうしたの?」

誠意を見せる意味もありましたが、谷崎さんが望まれている口ぶりだったということもあり、私は谷崎さんの最寄駅で、仕事帰りの谷崎さんをハントする予定でした。しかし、肝心の谷崎さんの反応が、完全に塩対応。谷崎さんからは当初、予想通り、私がいたことへの驚きと困惑を感じましたが、次第に迷惑そうな空気も漂ってきました。まさか塩対応を受けるとは思っていなかったので、私は面食らいました。「え…どうしたの?」って、こっちが「え…どうしたの?」だよって動揺しました。

「どうしたの?」
「いえ…きちんとお話したかったので…」
「…」
「この間谷崎さんが、余裕がなかったら普通、突撃訪問するというお話をされていたので…。私も誠意を見せたくて…」
「…」
「ご迷惑だったでしょうか…」
「うん…」

うん?は?

谷崎さんの反応に私は面食らい、訳がわかりませんでした。無意識のうちに頭の中では、躊躇いながら「うん」とおっしゃる谷崎さんをリピート再生しており、その度私はショックを受け続けました。そして次第に、待ち伏せ作戦を実行した自分の言動が、とてつもなく恥ずかしくなり、もう羞恥心と言いますか、ショックと恥ずかしさで貧血寸前になりそうな程、血の気が引き、体が冷たくなりました。

はっきり言って私が谷崎さんの立場なら、今の私の突撃は迷惑だと感じます。 しかし谷崎さんはこの間、彼女からの突撃訪問を望まれているような発言をされていました。ですから私は、一世一代的な決意で谷崎さんの最寄駅に参りましたのに…拒否られました。

「今のでふみよちゃんの気持ち、わかったよ」
「え?」
「疲れている時に、恋人に連絡なしで、待ち伏せされるのが嫌な気持ち」
「…」
「この間も言ったけど、昔は嫌だと思ったことがなかったんだよ。むしろ嬉しかったし、それが当たり前な感じだった」
「…」
「でも今日ふみよちゃんに会った瞬間、あ、ふみよちゃんの気持ちわかったって思った」
「…」
「俺も歳とったのかな…」
「…」
「せっかくここまで来てもらって申し訳ないけど、もう遅いから、ちょっと今日は家に呼べない。また後日でいいかな?」
「はい」
「そしたら、気をつけて帰ってね」

そうおっしゃった谷崎さんは、私が改札口を通るまで見送ってくださいました。谷崎さんのご自宅に上がろうとは全く思っていなかったので、このまま帰宅することに何の問題もありません。しかし…なんだか腑に落ちない自分がいました。

谷崎さんって、勝手だなあ。

電車に揺られながらそう思いました。

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