2017年10月16日月曜日

それはちょっと困ります。その6。


誰かと揉めるくらいなら、例え自分の主張を曲げてでも、すぐに謝ればよかった。

苛立ちを露骨に滲ませながら家を飛び出してしまった谷崎さんを、私は咄嗟に追いかけることができませんでした。まるで足に重い鉛でもついているかのように動けず、茫然と立ち尽くしたままでした。しかし、根が生えたように動けませんでしたが、心や頭は騒がしく、荒れていました。この時の私は、谷崎さんを怒らせてしまったということよりも、とにかく他人と揉めることが大嫌いな私は、「誰かと衝突してしまった」というショックと罪の意識で、とてつもなく打ちのめされていました。

「追いかけてもくれないんだね。ふみよちゃん、本当に俺のこと好きなの?」

何も手につかずリビングの床で座り込んでいると、谷崎さんから上記のメッセージが送られてきました。このラインを見た瞬間、私はとどめを刺され、息の根を止められたような気持ちになりました。これまでの人生、他人と衝突したことがない私が、他人と衝突してしまったことはもちろんですが、私の言動一つで谷崎さんを怒らせ傷つけてしまったこと、谷崎さんを追い詰めてしまったことを目にして、私は本気で落ち込みましたし、苦しくて目頭が熱くなりました。

心に反してでもいいから、合鍵に同意すればよかった。

どうしようもなく、後悔しました。交際や男女のいろはを理解していないとはいえ、無理してでも、少しでも、可愛げのある振る舞いをすればよかった。夜勤明けで心底疲れていても、わざわざ訪問してくださった谷崎さんを、歓迎する明るさを出せればよかった。もしかしたら、長時間マンションのエントランスで待ってくれたかもしれない谷崎さんに、感謝と労いの気持ちを表現すればよかった。

一度後悔すると、次から次へと懺悔の気持ちが湧いて溢れてきました。文章では誠意が伝わらないかもしれないと思い、私は急いで谷崎さんにライン電話をかけました。

しかし谷崎さんは、出ませんでした。何度もかかけましたが、ダメでした。仕方ないので電話はまた後にしようと思い、謝罪の文章を綴り、ラインを送りました。

でも、既読スルーでした。既読のサインが出ていたので、おそらく谷崎さんは、私の謝罪文に目を通されたのではないかと思います。

ですが、谷崎さんからのアクションは、ありませんでした。

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