2017年10月10日火曜日

それはちょっと困ります。その4。


まさかこんなに棘をむき出しにされるとは、思いませんでした。

「え?ふみよちゃんは、合鍵やだ?」

お互いの自宅の合鍵を持った方がいいとおっしゃる谷崎さんの提案に、私は素直に頷けませんでした。

誰もが皆そうだと思いますが、私にとって自宅は、心身共に真っ裸になれる安寧の場所。自分だけが唯一許された居場所であり、閉ざされ密閉された空間だからこそ味わえる、安らぎ。時には無となって、人目を気にすることなく思い切り負の感情を吐き出せる、シェルター。その私の心の動きに、臨機応援に対応してくれる自宅の鍵を、家族以外の他人に渡すのは、どうにも躊躇いがありました。それが例え、もしかしたら将来を共に歩むかもしれない、彼氏の谷崎さんだとしても。

私は谷崎さんに、やんわりと難色を示しました。彼氏であっても、今は彼氏であって家族ではない谷崎さんに、自由自在に自宅を入退出されるのは、嫌だなと思いました。もしかしたら、彼氏だからこそ合鍵を渡すべきだとお考えの方もいらっしゃるかと思います。ましてや結婚を考えている相手なら、尚更合鍵を渡すべき…だと。

しかし私としては、あくまで私の場合は、生活や拠点を別にしている今、別に恋人の自宅の鍵を持つ必要性を感じませんし、それ以上に私は、「谷崎さんが今すぐにでも我が家に来るかもしれない」というプレッシャーを抱えて日常を過ごすのは、つらいなと感じました。例えば今回のように、夜勤で疲れて帰宅した時に、谷崎さんのアポなし訪問があると、すぐに心が対応できません。

ただ誤解しないで頂きたいのは、私は谷崎さんの訪問を拒んではいません。事前に連絡があれば、いつでも自宅に大歓迎ですし、 私は自宅に誰かを招くのは好きなので、よく同僚や友人を招いて飲み会をしています。

「ふと思い立つ時ってあるじゃん。今会いたいなとか。そういう時に合鍵があるといいと思う」
「…確かにそうですが、その時はお互い連絡をして会えばいいのではないでしょうか」
「でも今日みたくふみよちゃんが仕事の時、合鍵があったら便利だよ」
「正直言いますと、仕事終わり…特に今日のように夜勤終わりは、一人になりたいので合鍵は…」
「同じ空間で俺は別なことをしているから、ふみよちゃんはふみよちゃんで別なことをすればいいと思う。それじゃだめ?」
「せっかく来て頂いているのに、それは…」
「ふみよちゃん、俺に会いたいって思うことないの?」

谷崎さんのマジな激おこレベルが最高潮に達してしまったのか、谷崎さんの口調には怒りがにじんでいました。

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