2017年9月4日月曜日

ラブファンタジーは苦難。その17。


これからどうしよう。気は進まないけれど、やっぱり谷崎ファミリーのお部屋に戻るべき?

谷崎ファミリーから熱烈な歓迎イベント、「皆でお風呂」をぶっこまれた衝撃で、思わず谷崎ファミリーから逃走してきた私は、色々な感情をやり過ごすために、自分の部屋で軽めの晩酌をしていました。軽めの晩酌…と言いつつ、既にビール1缶を飲み干し、さらに焼酎に手を伸ばしているわけですが、全く酔えず、ほろ酔い気分にもなれませんでした。

心が異常なまでに荒れて刺々しくなっていましたが、ここで延々と飲んでいるわけにもいかないことは、わかっていました。お酒臭さを充満させて戻るなんて、もちろんご法度ですので、風にあたった後に、身支度を整えて谷崎ファミリーの部屋に戻るか…とぼんやり考えていました。重い腰を上げてガラス扉を開けて露天風呂付近に行った私は、露天風呂の前で静かに風にあたることにしました。

「ふみよちゃん?ふみよちゃん、どうしたの?!」

注意力が散漫になっていた私は、谷崎さんが部屋に入ってきたこと、そして私の目の前に立っていらっしゃることに全く気付きませんでした。お風呂上がりに匂い立つ男の色気を纏っている谷崎さんは、ぼうっと風にあたっていた私を、心配そうに伺っていました。

「さっきはごめんね。俺の家は皆でお風呂が当たり前だから、びっくりしちゃったよね」
「そうですね、少しびっくりしました」
「お母さんたちは、ふみよちゃんが突然部屋を飛び出したことに驚いてたから、ふみよちゃんは具合が悪くて部屋を出たって言っておいたから」
「…え?」
「お風呂に入りたくないから部屋から出たっていうのも、角が立ちそうだからね。安心して!お腹が痛くて自分の部屋のトイレに行ったってことになってるから」
「…」

うんこしたくて部屋から全力疾走した…ってことになってるのかよ…。

確かに角が立つのは避けたいので、私の失礼な言動をフォローしてくださった谷崎さんには、感謝すべきです。しかし何故谷崎さんは両親に「ちょっとお母さん!さすがに家族以外の人の前で、皆でお風呂はないよ」と言えないのか…という疑問と、大浴場でも全裸を大公開していた失態に上乗せされ、更にうんこキャラが追加されてしまった恥ずかしさで、谷崎さんのフォローを心から感謝することができませんでした。

「もうそろそろ部屋に戻ろうか。お母さんたちすごく心配してるから、それに合わせてくれる?」
「はい…どうもありがとうございます…」

なにこのモヤモヤ!!なにこれ!!なにこれ!!!!!!!

角が立たないように配慮してくださった谷崎さんへの感謝の気持ちと、実親に意見を言わない、はたまた言えない谷崎さんの言動に、私は複雑でした。

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