2017年8月3日木曜日

ラブファンタジーは苦難。その8。


パンツ忘れました。

私がパンツを忘れたことに気づいたのは、谷崎さんと別れた後、大浴場の脱衣所で、入浴セットをごそごそやっていた時でした。事前に自宅で用意しておいた入浴セットが入ったバッグから、替えのパンツを取り出しておこうと思ったものの、何故か何度バッグを手で弄っても、一向にパンツの手応えが感じられませんでした。最初は、パンツがバッグの中で逃げ回っているだけだと思いました。しかしバッグを覗いて、私は全てを理解しました。私はパンツを、忘れたのです。

忘れたといっても、客室に忘れてきた的なセーフな感じではありません。そうです、正真正銘、私は自宅にパンツを忘れてきたのです。あれ程無理して背伸びして、今流行りの抜け感を大事にした、下着の意味をなさない機能性ゼロパンツを用意したというのに。何故忘れてしまったのか皆目検討付きませんが、おそらく準備中に、何らかの手違いでパンツがバッグからすり抜けてしまったのでしょう。自分自身の注意力と女子力のなさに、改めてゾッとしました。衝撃でしばらく呆然と立ち尽くしてしまっていた…かもしれません。

今現在私が持っているパンツと言えば、着用中の、愛用歴7年、ゴムが限界まで伸びきったバナナ柄のボクサーパンツしかありません。何故温泉デートだというのに、戦闘力0のパンツを着用しているかというと、お風呂に入る前にその…アレな雰囲気になることは絶対にないだろうと思ったので…。ブログを読んでくださっているレディーの方々からは、どんな状況にも対応できるパンツを穿きなさいとお叱りを受けそうですが、せめて入浴するまでは、自分が一番、素で自然体で過ごせるパンツでいたいと思い、年季の入ったバナナ柄パンツをセレクトしてしまいました。

二日続けて同じパンツを穿き続けるのは絶対に嫌だ。とりあえず私は、何食わぬ顔で大浴場を一度退出しました。 そして即行売店に駆け込み、慌ててパンツコーナーを物色。温泉の売店ですから、彼氏の目の前で、正々堂々ブチかませるようなイケてるパンツはなくても、普通の一般的な女性物のパンツは、売っているだろうと思ったのです。

しかし…一般的な至極普通の女性パンツは、ありませんでした。 あったパンツを言えば、温泉街だからこそ許される、超絶ダサい赤色のご当地ボクサーパンツのみ。いや、ダサいパンツ穿いてるお前が言える立場じゃないだろって感じですが、赤色ご当地ボクサーパンツのバッグには、謎のゆるキャラと謎のメッセージが印字されており、正面の股間部分には、デカデカとその温泉街の地名が強調されていました。

まさかこれを穿く…のか…?

他のパンツは売り切れなのか、本当にこの超絶ダサいパンツしか店頭にありませんでした。あまりのダサさとぶっ飛んだパンツに、私は顔が引き攣り、苦笑いが溢れました。しかし今の私に、躊躇う権利などはありません。私はこのパンツを、買うしかないのです。

「お土産用の袋を2つお願いします…」

何とも悪あがきですが、パンツと一緒に、カモフラで詰め合わせのお菓子も購入した私は、お土産用の袋を頂くことで、今自分でこのパンツを穿くわけじゃないよ、お土産用に購入したんだよ、的な演出を行いました。一体誰に装う必要があるのか、我ながら意味不明でした。

購入したパンツを抱えて大浴場に戻った私は、今さっき購入したパンツを開封しました。赤色のパンツは確かに戦闘力があり、ある意味勝負パンツには最適でしたが、股間に描かれた謎のメッセージのお陰で、ムードがぶち壊れるであろうことは必然でした。とはいえ、パンツを忘れた私を見捨てずに、パンツを差し伸べてくださった売店に感謝しなければなりません。気を取り直して着替えて浴室に入場した私は、新品パンツに嫌われないよう、身体を念入りに洗いました。

ブログランキングに参加しています。応援していただけると嬉しいです。
にほんブログ村 恋愛ブログ 婚活・結婚活動(本人)へ

  

0 件のコメント: