2017年8月28日月曜日

ラブファンタジーは苦難。その15。


皆様、大変申し訳ございません。レディーとしてあるまじき無粋な振る舞いではありますが、一言言わせてください。

「は?正気か?気が触れすぎだろ、何言ってんだこの人?」と。

「せっかくお部屋に露天風呂があるんだから、皆で入りましょう」

派手に湯気を立ち昇らせている露天風呂をガラス越しに指差しながら、谷崎さんのお母様は満面の笑みでそうおっしゃいました。まさそんなただの冗談でしょ…と思いきや、お母様の表情にフェイクな要素など一切なく、マジでガチなヤツでした。

とは言え、いくら谷崎さんのお母様の表情がリアルだとしても、お母様以外の谷崎ファミリーの皆さんが、首を縦にふるとは到底思えませんでした。この場にいるのが谷崎ファミリーだけならまだしも、他人がいる(私)わけですから、お母様がいくら「皆でお風呂」を願おうとも、誰もそれに同意するはずが…ありません。いや絶対にありえないはず。その考えからか、窮地に立たされながらも、私には若干余裕がありました。そうこれは、所詮は、久しぶりの家族旅行でフィーバーしたお母様がはしゃぎすぎただけの言動。

しかしですね…。私の思惑を邪魔する魔の一言が、お母様を援護したのです。

数秒の間を置いて、「それはいいね」と同意の姿勢を示した谷崎さんのお父様が、タオルを手にしたことで、「皆でお風呂」が一気に現実味を帯び、状況が動き出しました。それを機に谷崎さんの妹さんも、口では「えー、ちょっと嫌だなー」と否定しながらも、髪の毛を束ね始めました。しかもお父様が、突然その場でベルトに手をかけ、お色気シーンを演出され始めたので、いよいよ私は視界が爆発し、衝撃で吐血寸前に陥りました。

「ごめん、ふみよちゃん。おかしいと思うだろうけど、うちの家族はオープンだから、皆でお風呂入ること、たまにあるんだよ…」

ごめんなさい、私には無理です。

確かに私にも、家族でお風呂が日常だと公言している友人がいます。それは各家庭の意向ですので、他人の私がどうこう申すのは無粋です。「家族でお風呂」が谷崎家の方針であるなら、今回の流れになるのは至って普通のことかもしれませんが、(私には理解はできませんが)、あくまでそれは家族だから通用する話です。家族でお風呂に入りたいのであれば、まずは他人の私を退場させてください。

「ふみよさんも遠慮しないで入ってね。恥ずかしがらないでね、うちは全然誰も気にしないから」
「ふみよさん、露天風呂でお酒でも飲まないかね?」

ごめんなさい、本気で無理。

最大限にテンパり思考が爆発した私は、今すぐここから逃げ出したい衝動に駆られました。何の躊躇いもなく「ふみよちゃん、お風呂入れそう?」と尋ねてきた谷崎さんに、私は「ごめんなさい、私は一緒に入れません。私には難しいです」と捨て台詞のように告げました。そして、「皆さんが露天風呂に入っている間、私は自分の客室のお風呂か、大浴場のお風呂に入ってきますね」と言い、私は谷崎家の客室から逃げるように退散しました。

背後で谷崎ファミリーが私を呼び止める声が聞こえてきましたが…ごめんなさい。マッハで私は逃走しました。

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