2017年8月10日木曜日

ラブファンタジーは苦難。その10。


なにこれ。

これは…一体何の事件でしょうか。お風呂上がりで素っ裸の私の目の前には、谷崎さんの妹さんが立っていました。満面の笑みで私に接近し、「ふみよさんに会えて嬉しいです!」とリップサービスを炸裂させて下さった谷崎さんの妹さんは、相変わらずお綺麗でした。

しかし、かなりグイグイ私に畳み掛けてくるので、彼女のスピーディーなリズムに全く乗れず、ただ私は全身の血の気が引き、絶望の淵に立ち尽くし、呆然とすることしかできませんでした。また、一糸纏わぬ姿で出くわしてしまった恥ずかしさや動揺で、私の頭は猛烈に忙しくなり、それこそ、思考回路はショート寸前…というか、ショートしていました。

ちょ…なんでここに谷崎ファミリーがいるんだよ…。

谷崎さんの妹さんのお話によれば、土日を利用し、谷崎ファミリーで一泊二日の温泉旅行にいらしたそうです。このお話を聞いた瞬間、お風呂上がりの火照った思考も災いして、更に私は、激しい目眩と立ちくらみで失神しそうでした。

偶然?いやいやいやいや、どんだけ日本狭いんだよ!!日本に温泉ってここしかないの?違うでしょ!!百歩譲って、私と谷崎さんの旅行日と同日に、谷崎ファミリーの温泉旅行が、「偶然」かぶったことは良しとしよう。だけどさ、日本には何万って数の温泉施設があるわけで!!同日に同じ温泉とか奇跡なわけで!この件に関しては、絶対に奇跡なんてものは存在しないわけで!つまりはこれは、明らかに故意なわけで!私と谷崎さんの動向を、谷崎ファミリーが体を張って尾行しに来たってわけで!え?なにこれ?なんなの?え?

「お母さーん!こっちこっち、ふみよさん」
「あらーふみよさん!!こんにちは、お元気?偶然ってすごいわね」

※彼氏のご家族の前で、私は全裸です。

これはあくまで個人的な意見ですが、私でしたら、温泉で偶然全裸の知人に遭遇した場合、余程のことがない限り、一糸纏わない戦闘力0状態の知人に、基本的に話しかけることはしません。例えばお互いがお互いの存在に気づき、話さずを得ない状況であれば、挨拶程度はします。しかし、手短にです。やはり全裸ですからね。話がある場合は、お風呂上がりにお互い身支度が整った頃合いを見計らって、です。ですから!もーなんで今話しかけるの?私真っ裸だよ?

「久しぶりに温泉行こうかしらって昨日思い立っちゃってね、ここが人気って聞いたから来てみたんだけど、まさかふみよさんに会えるだなんて!嬉しい」
「母は今、ふみよさんに会ったから、めっちゃテンション高いんですよ!」
「それは光栄です…(顔が引き攣りそうでした)」
「お友達と?それとも息子と一緒?」
「谷崎さんと一緒で…」
「そうなの?よかったー、仲良くやってるのね」
「いつも谷崎さんにはお世話になっておりまして…感謝しております」
「そんなことないわよ、ふみよさんにお世話になってるのは息子の方だから。これからも息子のこと、よろしくね」
「兄のことよろしくお願いします」
「ええこちらこそ…」
「あら、それふみよさんのパンツ?」
「え…(絶句)」

ふとお母様の視線が、先ほど売店で購入した、超絶ダサい赤色パンツに合わさりました。

ちょ…マジかよ!!!パンツのことには触れないで!!!

「ぶっ…(爆笑してました)。か…可愛いわね」

着替えるタイミングも、床に落ちたタオルを拾って巻く一瞬もなく、ずっと全裸で立ち尽くしていた私は、パンツを突っ込まれて、もう誰かに殺って欲しい心境でした。

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