2017年7月19日水曜日

ラブファンタジーは苦難。その4。


大きなガラスを一枚隔てた先に、件の露天風呂がありました。

電車に揺られること数時間、都会の喧騒から離れた趣のある某温泉街に到着しました。電車から降りた瞬間、鼻腔を突き抜けたのは、温泉街特有の硫黄の匂い。硫黄の匂いはあまり気持ちのよい香りではありませんが、何故か温泉街の硫黄臭は、不思議と心が落ち着きました。それは谷崎さんも同じだったようで、「温泉街って和むよね」とニコニコされていました。

余裕にも深呼吸して温泉街の雰囲気を味わっていた私ですが、ふと駅で、カウンターに置いてあった旅行のパンフレットが目に入った瞬間、現実に引き戻されました。パンフレットに印字されていた、「露天風呂付き客室」の、文字。今宵の宿が露天風呂付き客室だと知った後、絶対に喉が通らないと思っていた幕の内的な駅弁を掻き込んだお陰で、すっかり気持ちが安定していたのですが、パンフレットの悪戯で即座に気持ちが落ちました。

女性の方でしたら、きっとこの気持ちの波を、わかっていただけると思います。事前準備なく、明るい照明に晒されながら、狭い浴室で無防備に素っ裸で殿方と向き合う…。これは死、ですよ。間違いなく死の案件ですよ。確かにこの旅行に備えて、色々乙女的メンテナンスを重ねてきましたが、それはまた別の営みの心構えの方で、一緒にお風呂に入る心構えは、まるでできていません。同じコンディションだと思われがちですが、一緒にお風呂と同衾は、また別の次元なのです。

チェックインの時間になるまで、とりあえず昼食を頂くことにしました。お蕎麦屋さんかお豆腐屋さんかで悩みましたが、今回はお豆腐屋さんに決定。湯葉のお料理を頂いたのですが、本当にとても美味しかったです。特に湯葉刺しがお酒とよく合いまして、お昼から素敵なお料理とお酒を美味しく頂けて、大満足でした。

その後はいよいよ、今宵の要となる旅館に移動。チェックインを済ませた私と谷崎さんを、親切な仲居さんがお部屋まで案内してくださいました。仲居さん曰く、この度私と谷崎さんが宿泊させて頂くお部屋は、人気ナンバーワンのお部屋だそうです。広々としたお部屋と掘りごたつはもちろん、主役の露天風呂からは、綺麗な夕焼けや情緒溢れる景色を眺めることができるということで、 とにかく競争率が高いとか。

このお話を伺った後、私は谷崎さんに対して、申し訳なく感じました。そんなに人気のお部屋なのですから、もしかすると谷崎さんは、苦労されてお部屋を確保されたのかもしれません。それに比べて私は、露天風呂一つでいつまでもうじうじと悩んで…情けないです。

これは…本気で覚悟を決めなければ、女がすたるってわけですね。

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