2017年6月3日土曜日

腐がバレた日。その10。


だって…生涯のバイブルですから。

谷崎さんが冷たい飲み物、または、温かい飲み物のどちらを好まれるかわからなかったので、私はいつでもお出しできるように準備していました。先ほど短時間で、乙女の光と闇が詰まったオタク全開のルームを一掃し、一般的なキラキラアラフォー女性のルームへと立て直したこともあり、私は心が軽くなったと言いますか、気持ちが晴れ晴れとしていました。これで、仕事とプライベートをきちんと両立したデキる女性を演出できるな、と、目論んでいたくらい余裕がありました。

客人用のグラスとコーヒーカップを用意していると、少し猫背気味の谷崎さんがお腹を押さえながら、居間に入ってこられました。どうやら無事に戦いに勝利されたようで、顔色はまだ良くありませんでしたが、清々しい表情で生還されました。ちなみに我が家は、どれだけお手洗いで力んでも、居間にまでは絶対に聞こえない安心構造です。お手洗いのドアが1枚、廊下と居間の間にドアが1枚、居間とキッチンの間にドアが1枚の、計3枚ドアに守られているので、おそらく谷崎さんも気兼ねなく力を発揮できたのではないでしょうか。微力ながら、谷崎さんの腸内環境をサポートできたので、嬉しい限りです。

「ふみよちゃん、トイレ貸してくれて本当にありがとう」
「脂汗大丈夫ですか?これで拭いてください(以前、「とりあえず温かいお手拭きを用意しておけばOK」と、肉の誘いは断らないあけみさんに聞きました)」
「ありがとう。マジやばかったから、ほんっと助かったよ。ありがとう」
「何か飲まれますか?」
「じゃあ、冷たい飲み物をもらってもいいっすか?」

ここまでは、順調でした。私はグラスに氷を入れ、作っておいた緑茶を注ぎました。そして、患者さんから頂いたお菓子をお盆にのせて、谷崎さんの元まで持って行きました。その間、谷崎さんとは、「ふみよちゃんの家、めっちゃ綺麗」「そんなことないですよ(ニヤ顏)」「へー、X JAPAN聴くんだ。このCD懐かしー」「若気の至りです」的なやり取りをしていました。

「あ、ふみよちゃん、小説読むんだ。見てもいい?」

そう言った谷崎さんの視線は、ソファーに置いてあった私のカバンでした。一瞬私は、「何故谷崎さんは、カバンを見ながら小説の話をしているのだろう…」と思いましたが、私が返事をする前に、谷崎さんは私のカバンから本を抜き取りました。その瞬間、私は一気に血の気が引きました。

その小説にはカバーがかかっているので、中身を見ていない谷崎さんは気付かれていませんが…

「ちょちょちょちょちょ待ってー!!!!!」

 もちろん、BL小説です。

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