2017年5月29日月曜日

性癖がバレた日。その8。


脱ぎっぱなしのパンツさえ床に転がっていなければ、大丈夫だと思っていました。

映画館前からタクシー乗り込み行き先を告げた私は、隣で脂汗をかきながら痛みを堪えている谷崎さんに、「タクシーを降りたら、この鍵で私の家に先に入っていてください。お手洗いは、玄関から少し進んだ先にあります。気兼ねなく使ってください」 と言いました。本来であれば、客人である谷崎さんを、エスコートするのが私の務めではありますが、今は一刻を争う状況ですし、お会計している間に先に行ってもらえたら…と思ったのです。苦しそうに脂汗をかいて痛みに堪えている谷崎さんは、ただ一言「すみません…」と言われました。言葉を発するのがやっと、という容態でした。

タクシー内では谷崎さんの体調に配慮して、ほぼ無言を貫いていたのですが、何故かタクシーの運転手さんが、延々と自分語りをしてこられました。生い立ちやタクシー会社に就職した経緯、奥様との馴れ初め、運転手さんのお嬢様が某有名私大に入学された事など。

また仕事柄、芸能人や著名人が乗られる事もあるそうで、「私は何十人もの芸能人の自宅を知っていますよ。ご希望であれば、一つずつご案内しますけど」と、運転手さんはかなり憎たらしいドヤ顔で、個人情報を侵害する意味のわからないツアーを、私たちに提示されました。「結構人気なんですよ」と、運転手さんは何度もその謎のツアーを推してこられるので、お断りするのが、本当に非常に大変でした。

タクシーが自宅に到着した瞬間、谷崎さんは「すみません、お先に」という言葉を残して、ダッシュで私の自宅へ向かわれました。私はお会計を済ませていたのですが、去り際にまた、運転手さんから謎のツアーのお誘いを受け、辟易しました。普段あまりイライラすることはないのですが、さすがにしつこかったですね。再度お断りをすると、「芸能人に家を知りたくなった時は、ぜひ」と、運転手さんに強引に名刺を頂きました。

気を取り直して自宅の扉を開けた私は、結構余裕がありました。普段掃除をしている自負があるため、「谷崎さんがお手洗いにいる間に、ささっと居間をチェックすれば大丈夫なはず。腹痛で寒いかもしれないから、タオルケットを用意して、 いつでも出せるように温かい飲み物も、冷たい飲み物も準備して…」くらいにしか、思っていませんでした。私の自宅はどんなアクシデントにも対応できる…本気でそう考えていました。

しかし… そんなわけがありません。居間に入った瞬間、私は足元から一気に崩れ落ちました。

自分で言うのもアレですが、確かに、部屋は綺麗です。綺麗ですが…居間のテーブルに無防備に置いてあった禁断のBL漫画達が、全てを歪曲していました。

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