2017年5月25日木曜日

腐がバレた日。その7。


私には潜在的に、ビッチの素質があるのかもしれません。

私は36年間、誰一人、自宅に殿方を招いたことはありません。一応小学生の時に、クラスメイトの松谷君が、私の兄のゲームソフトを借りたいと頼みに、実家の玄関先に来たくらいでして。また、メンズと呼んでいいものかわかりませんが、実父と実兄が我が家に宿泊したことはありますが、本格的に正真正銘の殿方をウェルカムしたことは、一度もありません。

その、身も心も未経験豊富な私が、何の躊躇いもなく、谷崎さんを誘っていました。

谷崎さんの容態と排便事情を何とか労って差し上げたいと思い、咄嗟に出た言葉とはいえ、発して理解した瞬間、私は自分の大胆さに呆然としてしまいました。ある意味猟奇的で、破廉恥極まりない変態プライベート空間を作り上げている私は、微塵も自宅に誰かを招くという考えがなかったはずです。それが一体何故…。その私の呆然さが谷崎さんに伝わってしまったのか、 谷崎さんもかなり動揺されているようで、「ちょ…え?」と脂汗を垂らしながら、目を大きく見開いていました。

「あの…谷崎さんの体調が苦しそうなので…」
「…」
「お手洗いもゆっくりされたいでしょうし…」
「でも映画観ようって誘ったのは俺だから…」
「体調悪い時に映画、観られませんよ。それに映画は逃げませんし」
「…すみまっせん、ちょっとお手洗いに…(本当に苦しそうでした)」

体を屈めながら、ヨロヨロとお手洗いに行かれた谷崎さん。20分程して帰還されましたが、やはり相変わらず腹痛は治らず、顔色も青く、震えも脂汗も止まっていませんでした。もうこのまま映画館にいては、治るものも治りません。

「谷崎さんの自宅まで帰るのに、結構時間かかりますよね?」
「そうっすね…ちょっと今の状況でうちに帰るのはきついっすね」
「やっぱりうちに来てください、すぐなので。お手洗い、遠慮なく使ってください」
「…本当にごめんなさい、そうさせてもらいます」

私と谷崎さんは映画館前で急いでタクシーに乗り込み、自宅へ向けて出発しました。この時の私は、「いつも掃除してるし、見られて困るものもないから、大丈夫っしょ」くらいの気持ちでした。しかし…そんなわけがありません。私の家には、見られて困るものしかないのですから。

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