2017年5月22日月曜日

性癖がバレた日。その6。


お手洗いから帰還された谷崎さんは、血の気がなく、げっそりされていました。

「あの…大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫っす…」

おトイレにうんこだけでなく、メンタルとエネルギーまで流してしまわれたのか、先ほどまで有り余る元気を漲らせていた谷崎さんは、パワー0状態、顔色は真っ青で、戻ってこられました。ポロシャツの色であるホワイトに同化してしまいそうな程、一気に儚くなっており、心なしか、微かに震えている気がしました。私の中で震えは、乙女ゲームやBLなどの乙女活動を真っ只中で起こる、魅惑の現象。決して戦闘力を奪い去るものではありません。青くなり続ける谷崎さんの容態に、私は危険を察知しました。コーラを一気飲みして、はしゃいでいる場合ではありませんでした。

「とりあえず座りましょう、あちらにソファーがありますので!」

前屈みで歩かれる谷崎さんの背をさすりながら、私は急いで、競争率がかなり高いソファーを、滑り込んでゲットし、谷崎さんに座って頂きました。谷崎さんの震えを抑えるために、谷崎さんの大好きな男梅を進呈しようかと思いましたが、谷崎さんの容態は、どう考えても男梅で処置可能な震えではありません。結構ヤバめな震えで、例を申すと…コーラックの服用経験がある方は、ご理解頂けるでしょうか。言いようのない吐き気、悪どく執拗にネチネチ攻め続けてくる腹痛、垂れる脂汗、遠のく意識…。まさにコーラックで三途の川へと送り込まれる程の震えです。谷崎さんはまるで、コーラーックを服用されたのかと疑う程、急変していました。

「実は急に…お腹痛くなってしまって…」
「他には?」
「吐き気と寒さですかね…」
「私の上着で良ければ、これ着てください。フリーサイズなんで」
「え、あ、ありがとうございます。少し休めば大丈夫だと思うんすけど…」

休日ということもあり、映画館は人口密度高め。特にソファー周辺には、ソファーを虎視眈々と狙う猛者達で、溢れかえっていました。おそらく谷崎さんは、人目が気になり、心から休むことはできないと思います。今は私が谷崎さんの前に立ってガードしてはいますが、猛者達が大暴れするのは時間の問題でした。また公共のお手洗いでは、常に人の出入りがありますので、いくら個室と言えども、思う存分に最後の最後まで力を発揮することができません。

「ここから私の家、タクシーですぐなので、もし良かったらうちで休まれませんか?」

谷崎さんの排便状況を不憫に感じてしまった私は、気づけばこう申し出ていました。

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