2017年1月31日火曜日

お母さんは心配症。谷崎さん その28。


しかし…。

思わず、「そのふみよさんって…どこのふみよさんですか?」と尋ねたくなる程、谷崎さんは私を過大評価し過ぎていると思います。

「良かったら考えてみてくれると、嬉しいっす」

この言葉を頂いた後、私と谷崎さんはお店を後にし、駅でお別れしました。改札口まで送って下さった谷崎さんに、本日のお礼を告げて背を向け、ホームへ向かおうとしましたが、何となく背後に視線を感じ、肩越しにそっと振り返ってみました。すると、既にお帰りになられたと思っていた谷崎さんが、未だ改札機の先におり、私を見送って下さっていました。慌てて私は谷崎さんに会釈をすると、谷崎さんの目が、「早く電車に乗って下さい」と、そう私に告げていました。

終電間近の混雑した車内に、何とか自身の肥えた身体を納めた私は、人の波に埋もれながら、ぼんやりと某週刊誌の吊り革広告を、眺めていました。少々アダルトでディープな言葉が駆け巡る見出し達を目で追っていると、何故だか、先ほど谷崎さんに乙女心をチョめられた光景が瞬時に脳裏に過り、私はつい気持ちの悪いレベルでニヤけてしまいました。おそらく、周囲にいらっしゃった方々に、相当なご迷惑をかけていたと思います。縦にも横にもデブでブスな生物が、鼻の穴及び瞳孔を全開にして、鼻息荒めに笑っていたのですから。自分自身でもドン引きする程、私の言動は常軌を逸していたことでしょう。

殿方に初めて、交際を匂わせるお言葉を頂きました。これは私にとって、ありえないミラクルです。絶対に自身の身の上に起こり得ない現実は、私に生命の終焉を疑わせました。明日、私は死ぬのかもしれない…そう思いました。それ程、嬉しいものでした。同時に、「二郎断ちして頑張った甲斐があったな…。ジムでスクワット中、お尻周辺を破ってパンツ丸出しになって笑われても、めげなかった甲斐があったな…。私も頑張ったな…」とジワジワくるものがありました。

しかし帰宅後、玄関から、明かりが付いていない真っ暗なリビングを見ると、急速に先程までの興奮が萎み、ピンク色だった心は一気に色を失くしました。浮かれていた私は、我に返りました。

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