2016年12月15日木曜日

お母さんは心配症。谷崎さん その13。


たかが一枚のメンズビオレ汗拭きシート。されど一枚のメンズビオレ汗拭きシート。

肉の代わりにガムを噛もうと思い、鞄を漁った私の決心を鈍らせたのは、一枚のメンズビオレ汗拭きシートでした。既に乾き切って潤いを失い役目を果たしたそれは、先程の面談で、谷崎さんから頂いたものでした。谷崎さんのお母様から老後を託されたことに、ビビって額を濡らしまくっていた私の汗に気づかれた谷崎さんが、「俺ビオレ持ってるんで、使ってください!メンズのっすけど」と、私の止めどなく溢れる汚い汗を心配してくださった、メンズビオレ汗拭きシートです。

一仕事終えて、私の鞄の中で無造作に丸まっていたメンズビオレ汗拭きシートを見ていると、何故か、先程「ちょ待てよお母さん!で悩みたくないからお断りしよう」と心に決めた決意が傾き、急速に揺らぎ始めました。当初この迷いは、乗っている電車の揺れと、隣に座っている中年男性が派手にリズムを刻んで奏でる貧乏ゆすりが原因だと思い、ガムを噛むことでやり過ごすことにしました。しかし帰宅後、部屋着であるプリングルスのTシャツに着替えている時も、ビールを飲んでいる時も、フライドチキンを噛みちぎっている時も、迷いは迷いを呼び、私の中で大きく踠いているのです。

それもこれも全て、私の額の汗に気づかれ、さり気なくメンズビオレ汗拭きシートをくださった、谷崎さんの優しさの所為。だって普通なら、全身から汗を垂らしたデブスなんて即刻抹殺的存在だというのに、嫌な顔一つせずメンズビオレ汗拭きシートをくれるメンズ…だよ?こんな私の汗事情にまで心配りをして下さるメンズが、まさかこの世にいらっしゃっただなんて…。谷崎さんの優しさに私の乙女心は、今すぐにでも谷崎さんへテイクオフしそうな気配でした。

それに私はどう足掻いても、36歳。来年には、37歳になる身です。

果たして今後私に、快くメンズビオレ汗拭きシートを差し出して下さるメンズが、現れるでしょうか。本心はどうあれ、花盛りが過ぎた私に、今後も「これからも息子を宜しくね」と言って下さる姑が、現れるでしょうか。

とうに旬が過ぎ去った私は、選べる立場なのでしょうか。

肝心の谷崎さんのお気持ちが不明ですので、答えを出すのは早急過ぎますが、自分が置かれた状況を思うと…潔く断れない気持ちが強くなっていました。

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