2016年12月13日火曜日

お母さんは心配症。谷崎さん その12。


肉、食べたい。

1日に3人のメンズと逢瀬を交わすという、ハードでタイトなスケジュールを終えた私は、帰宅途中の電車の中で、疲労のあまり、猛烈に肉に食らいつきたい欲望に駆り立てられていました。正常値を大幅にオーバーした感情の波を、無心に肉を噛みちぎることで落ち着かせたい。特に谷崎さんのお母様の強烈な印象を、栓抜きがなくとも瓶ビールの蓋を華麗に開けられることに定評があるこの歯で、肉と共に噛み砕いて忘れたい。神聖な肉と谷崎さんのお母様を交わらせることに抵抗はありましたが、今の私には、肉と谷崎さんのお母様双方に配慮する心を、持ち合わせる余裕がありませんでした。

ミセスの先輩方に「生半可な気持ちでミセス名乗れると思うなよ」とお叱りを受けそうですが、初対面でいきなり正面切って老後を託してきた谷崎さんのお母様の思惑に、怖気付いてビビってしまっている今、谷崎さんwith谷崎さんのお母様に対して、私の心は閉じつつあります。

そもそも肝心の谷崎さんのお気持ちが不明の中、お前は何を先走って考えているんだ、というご指摘はごもっともなのですが、「ちょお母さん!」と言うことでしかお母様を制止できない谷崎さんと、今後関係を育んでいくのは、些か不安です。谷崎さんとディープな繋がりを築けば築く程、谷崎さんの「ちょお母さん!」に悩まされ、もしかしたら私は心身共に支障をきたすかもしれません。また、「ちょお母さん!」が引き起こして積み重なった負の感情から、互いにメンチ切り過ぎて収集つかなくなった谷崎さんのお母様と私が、海でチキンレースを開催し、スピードの向こう側の住民になってしまうかもしれません。

ちょっとプロテインに染まりすぎた的な、体育会系な言葉遣いはアレでしたが、谷崎さんはとてもいい方だったと思います。でも、「ちょお母さん!」で悩む前に、お断りしよう。

そう結論付けた私は、帰宅後、肉を喰らう前に、婚活アドバイザーの遠藤さんにお電話をしようと思いました。「谷崎さんはとてもいい方でしたが、お母様同伴の面談は私には難易度が高くて…」といった理由を頭の中で並べていた私でしたが…

私の決意を揺らがせたのは、肉の代わりにガムを噛もうと鞄を漁った時に私の目に入った、メンズビオレ汗拭きシートでした。

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